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病院の内装制限とは?ルールとできること・できないことを紹介

病院をはじめとする医療施設の内装には、建築基準法に基づく「内装制限」という決まりが関わってきます。これは、火災が起きた際に燃え広がりを抑え、患者さんやスタッフが安全に避難できるようにするための重要なルールです。病院は多くの人が利用し、自力での避難が難しい患者さんもいるため、内装の素材に一定の制限がかかります。この制限を知らずに内装を計画すると、後から作り直しが必要になることもあります。

本記事では、病院の内装制限とは何か、その具体的なルール、内装でできることとできないことを整理して解説します。これから病院の開設や改装を考えている方の参考になれば幸いです。

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病院の内装制限とは?

病院の内装制限とは、建築基準法という法律に基づいて、病院などの建物の内装に使える素材を制限する決まりのことです。火災が発生したときに、壁や天井の素材が燃えやすいと、炎や煙が一気に広がり、避難が間に合わなくなる恐れがあります。これを防ぐため、燃えにくい素材を使うよう求めるのが、内装制限の目的です。

内装制限の対象となるのは、不特定多数の人が利用したり、火災時の避難が難しかったりする建物です。病院は、多くの患者さんが訪れるうえに、体が不自由で自力での避難が困難な人もいるため、内装制限がかかる建物に含まれます。建物の規模や構造によっても、制限の内容は変わってきます。

内装制限では、主に壁と天井の仕上げに使う素材が規制の対象になります。使える素材は、燃えにくさの程度によって、不燃材料、準不燃材料、難燃材料という区分に分けられ、場所や用途に応じて、どの区分以上の素材を使うべきかが定められています。とくに、廊下や階段といった避難経路は、より燃えにくい素材が求められます。

内装制限は、火災から命を守るための大切な決まりですが、その内容は専門的で複雑です。建物の用途や規模、構造、スプリンクラーなどの消火設備の有無によっても、求められる基準は細かく変わります。病院の内装を計画する際には、これらの制限を正しく理解したうえで、素材や設計を選ぶことが欠かせません。

内装制限を見落として内装を進めてしまうと、工事後に基準を満たしていないことが発覚し、作り直しを迫られることになります。安全を守るためにも、無駄な費用を避けるためにも、内装制限を踏まえた計画が重要です。医療施設の設計に詳しい専門家に相談しながら進めることが、確実な対応につながります。

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病院の内装制限の具体的ルール

病院の内装制限には、どの場所に、どんな素材を使うべきかという、具体的なルールがあります。これらを知っておくことで、制限を踏まえた内装の計画が立てやすくなります。ここでは、病院の内装制限における五つの具体的なルールを紹介します。

  • 壁と天井の仕上げ材に制限がかかる
  • 使う材料は燃えにくさで分類される
  • 避難経路はより厳しい基準が求められる
  • 火を使う部屋も制限の対象になる
  • 床や一部の部位は制限の対象外になる

壁と天井の仕上げ材に制限がかかる

病院の内装制限で基本となるのが、壁と天井の仕上げに使う素材に制限がかかることです。火災が起きたとき、炎は壁を伝って広がり、煙は天井にたまって移動します。そのため、壁と天井に燃えにくい素材を使うことが、火の広がりを抑えるうえで重要になります。

内装制限では、診察室や待合室といった部屋の壁と天井に、一定の基準を満たす燃えにくい素材を使うことが求められます。壁と天井という、炎や煙の広がりに大きく関わる部分に、燃えにくい素材を使うことが、内装制限の中心的なルールです。

この制限があるため、壁や天井の素材は、見た目の好みだけで自由に選べるわけではありません。どんな素材が使えるかは、その部屋の用途や、建物全体の条件によって変わります。壁と天井の仕上げ材に制限がかかることを踏まえて、素材を選ぶことが、病院の内装計画の出発点になります。壁と天井の素材選びが、安全の基本を支えます。

使う材料は燃えにくさで分類される

病院の内装制限では、使う材料が燃えにくさの程度によって分類されることも、重要なルールです。内装に使う素材は、燃えにくい順に、不燃材料、準不燃材料、難燃材料という区分に分けられています。場所や用途に応じて、どの区分以上の素材を使うべきかが定められています。

不燃材料は最も燃えにくく、準不燃材料、難燃材料の順に、求められる燃えにくさは緩やかになります。内装のどの場所に、どの区分の素材を使うべきかが決められており、それに従って素材を選ぶ必要があります。より危険性の高い場所ほど、燃えにくい素材が求められます。

素材を選ぶ際には、見た目だけでなく、その素材がどの区分に当てはまるかを確認することが欠かせません。同じような見た目でも、燃えにくさの区分が異なる素材があります。使う材料が燃えにくさで分類されることを理解し、場所に応じた区分の素材を選ぶことが、病院の内装制限を守る鍵になります。正しい区分の選択が、安全を支えます。

避難経路はより厳しい基準が求められる

病院の内装制限では、廊下や階段といった避難経路に、より厳しい基準が求められることも重要なルールです。火災が起きたとき、人々が避難するための廊下や階段は、安全に通り抜けられなければなりません。そのため、これらの場所には、部屋よりも厳しい素材の基準が設けられています。

避難経路となる廊下や階段の壁と天井には、より燃えにくい素材を使うことが求められます。人命に直結する避難経路だからこそ、火や煙が広がりにくい、より厳しい基準の素材が必要になります。避難の途中で火が燃え広がれば、逃げ道が絶たれてしまうためです。

病院には、自力での避難が難しい患者さんもいるため、避難経路の安全はとりわけ重要です。避難に時間がかかる分、経路が燃えにくいことが、より強く求められます。避難経路はより厳しい基準が求められることを踏まえて、素材を選ぶことが、患者さんの命を守る病院の内装計画につながります。安全な避難経路が、命を守ります。

火を使う部屋も制限の対象になる

病院の内装制限では、火を使う部屋も制限の対象になることが、押さえておきたいルールです。病院には、給食をつくる厨房や、火を扱う設備のある部屋があります。これらの火を使う部屋は、火災が発生しやすいため、内装に制限がかかります。

火を使う部屋の壁と天井には、燃えにくい素材を使うことが求められます。火元となりやすい部屋だからこそ、万が一の際に火が広がりにくいよう、燃えにくい素材で仕上げることが必要です。火を使う設備の周囲は、とくに注意が求められます。

火を使う部屋への配慮を怠ると、そこから火災が発生し、建物全体に広がる危険があります。厨房など、火を扱う場所の内装には、十分な注意が欠かせません。火を使う部屋も制限の対象になることを理解し、適切な素材で仕上げることが、火災から病院を守る重要なルールになります。火元への配慮が、安全を守ります。

床や一部の部位は制限の対象外になる

病院の内装制限では、床や一部の部位は制限の対象外になることも、知っておきたいルールです。内装制限は、主に壁と天井を対象としており、床は基本的に制限の対象外とされています。そのため、床材は比較的自由に選ぶことができます。

火災の際、炎や煙は壁を伝い、天井に沿って広がるため、壁と天井が重点的に制限されます。床は火の広がりへの影響が小さいため、内装制限の対象外とされ、素材選びの自由度が高くなっています。また、壁の一部など、条件によっては制限が緩和される部位もあります。

ただし、床が対象外だからといって、何でも自由に選べるわけではなく、清潔さや安全性といった、医療機関ならではの観点は欠かせません。どの部位が制限の対象で、どこが対象外かを正しく理解することが、効率的な素材選びにつながります。床や一部の部位は制限の対象外になることを知っておくことが、賢い病院の内装計画を支えます。対象の理解が、自由な選択を生みます。

病院の内装でできること

病院の内装には制限がありますが、その範囲の中でも、工夫によって実現できることは数多くあります。制限を正しく理解すれば、安全性と快適さを両立した内装をつくれます。ここでは、病院の内装でできることを、次の四つの観点から見ていきましょう。

  • 燃えにくい素材でも木目調など意匠を楽しめる
  • 床材は比較的自由に選べる
  • 腰壁など一部に自然素材を使える場合がある
  • 一定の条件を満たせば制限が緩和される

燃えにくい素材でも木目調など意匠を楽しめる

病院の内装でできることの一つが、燃えにくい素材でも、木目調など、さまざまな意匠を楽しめることです。内装制限で求められる燃えにくい素材というと、無機質で味気ない印象を持たれがちですが、実際には豊かな意匠の素材が数多くあります。

近年では、木目を再現したものや、温かみのある色合い、さまざまな質感を持つ、燃えにくい素材が豊富にそろっています。制限を満たす燃えにくい素材の中にも、木の温もりや、上質な雰囲気を演出できるものが多くあります。見た目の美しさと、安全性を両立できるのです。

燃えにくい素材だからといって、内装の美しさをあきらめる必要はありません。素材の選択肢を知り、うまく組み合わせることで、患者さんが心地よく過ごせる、温かみのある空間をつくれます。燃えにくい素材でも木目調など意匠を楽しめることを知っておくことが、安全で魅力的な病院の内装を実現する鍵になります。素材の工夫が、美しさと安全を両立します。

床材は比較的自由に選べる

病院の内装でできることの一つが、床材を比較的自由に選べることです。内装制限は主に壁と天井を対象としており、床は基本的に制限の対象外です。そのため、床材については、燃えにくさの区分にとらわれず、幅広い選択肢から選ぶことができます。

床材を選ぶ際には、見た目の美しさや、空間の雰囲気づくりに加えて、医療機関ならではの観点を重視できます。床は制限の対象外である分、滑りにくさや、掃除のしやすさ、歩きやすさといった、実用的な観点から素材を選べます。患者さんの安全や快適さに直結する床材を、自由に選べるのは大きな利点です。

ただし、自由に選べるとはいえ、医療機関では清潔さや安全性が欠かせません。滑りにくく、車いすでも動かしやすく、清掃のしやすい床材を選ぶことが大切です。床材は比較的自由に選べることを活かして、患者さんにやさしい床を実現することが、病院の内装づくりの工夫になります。自由な床材選びが、快適さを支えます。

腰壁など一部に自然素材を使える場合がある

病院の内装でできることの一つが、腰壁など一部に、自然素材を使える場合があることです。壁の仕上げには内装制限がかかりますが、条件によっては、壁の一部で制限が緩和され、燃えにくさの区分にとらわれない素材を使える場合があります。

たとえば、部屋の壁の下の方である腰壁の部分は、条件によっては制限が緩和されることがあります。壁の一部で制限が緩和される場合には、そこに木などの自然素材を取り入れて、温かみのある空間を演出できることがあります。これにより、安全性を保ちながら、素材の魅力を活かせます。

ただし、どの部分で緩和されるかは、建物の条件によって細かく異なり、慎重な判断が必要です。自己判断で進めず、専門家に確認することが欠かせません。腰壁など一部に自然素材を使える場合があることを知り、専門家と相談しながら活用することが、魅力的な病院の内装を実現する工夫になります。緩和の活用が、素材の魅力を引き出します。

一定の条件を満たせば制限が緩和される

病院の内装でできることの一つが、一定の条件を満たせば、内装制限が緩和されることです。内装制限は、建物の条件によって、求められる基準が変わります。安全を確保するための設備が整っている場合などには、制限が緩和されることがあります。

たとえば、スプリンクラーなどの消火設備が設けられている場合には、内装制限の一部が緩和されることがあります。火災時の安全を確保する設備や工夫があれば、内装の素材選びの自由度が高まることがあります。設備の導入によって、意匠の幅を広げられる場合があるのです。

ただし、緩和される条件は専門的で複雑なため、自己判断は禁物です。どんな条件で緩和されるかを、専門家に確認しながら進めることが欠かせません。一定の条件を満たせば制限が緩和されることを知り、設備の導入なども含めて検討することが、安全性と意匠性を両立する病院の内装づくりにつながります。条件の活用が、設計の幅を広げます。

Palettaの施工事例

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病院の内装でできないこと

病院の内装には、安全を守るために、できないことも定められています。これらを知らずに進めると、基準を満たせず、作り直しを迫られることになります。ここでは、病院の内装でできないことを、次の四つの観点から見ていきましょう。

  • 燃えやすい素材を壁や天井に広く使えない
  • 避難経路に装飾を施しすぎることはできない
  • 制限を無視した自由な素材選びはできない
  • 確認を怠ったまま工事を進めることはできない

燃えやすい素材を壁や天井に広く使えない

病院の内装でできないことの一つが、燃えやすい素材を壁や天井に広く使うことです。内装制限によって、壁と天井には、燃えにくい素材を使うことが求められます。そのため、燃えやすい素材を、制限のかかる場所の壁や天井に広く使うことはできません。

木材などの燃えやすい素材を、そのまま壁や天井の仕上げに使いたくても、制限のかかる場所ではそれが認められません。火災時の安全を守るため、燃えやすい素材を壁や天井に広く使うことは、内装制限によって制限されています。

見た目や温かみを求めて、燃えやすい素材を広く使いたいと思っても、安全を優先するこの制限は守らなければなりません。ただし、燃えにくく加工された素材や、制限の緩和を活用する方法もあります。燃えやすい素材を壁や天井に広く使えないことを理解し、制限の範囲内で工夫することが大切です。制限の理解が、安全な内装を支えます。

避難経路に装飾を施しすぎることはできない

病院の内装でできないことの一つが、避難経路に装飾を施しすぎることです。廊下や階段といった避難経路には、より厳しい内装制限がかかります。そのため、これらの場所に、燃えやすい装飾や、制限を超える素材を使うことはできません。

避難経路を華やかに飾りたいと思っても、燃えやすい装飾は、火災時に避難の妨げになる恐れがあります。命に関わる避難経路だからこそ、燃えやすい装飾や、制限を超える素材の使用は認められていません。避難の安全を最優先する必要があります。

避難経路は、見た目の演出よりも、安全に通り抜けられることが何よりも重要です。装飾を加える場合も、燃えにくい素材の範囲で、避難の妨げにならないよう配慮することが欠かせません。避難経路に装飾を施しすぎることはできないことを理解し、安全を最優先に設計することが大切です。安全優先の設計が、命を守ります。

制限を無視した自由な素材選びはできない

病院の内装でできないことの一つが、制限を無視して、自由に素材を選ぶことです。病院の内装は、見た目の好みだけで、どんな素材でも自由に選べるわけではありません。内装制限という決まりの範囲内で、素材を選ぶ必要があります。

理想とする雰囲気を実現するために、特定の素材を使いたくても、それが制限に反する場合には使えません。どれほど魅力的な素材でも、内装制限を満たさないものは、制限のかかる場所には使えません。制限を無視した素材選びは、法律に反することになります。

制限を知らずに素材を選んで工事を進めると、後から基準を満たしていないと分かり、作り直しを迫られます。素材を選ぶ際には、必ず内装制限を踏まえることが欠かせません。制限を無視した自由な素材選びはできないことを理解し、制限の中で最適な素材を選ぶことが大切です。制限内での工夫が、安全と満足を両立します。

確認を怠ったまま工事を進めることはできない

病院の内装でできないことの一つが、内装制限の確認を怠ったまま、工事を進めることです。内装制限は専門的で複雑なため、確認を怠ると、気づかないうちに基準を満たさない内装になってしまう恐れがあります。

自己判断で素材を選び、確認をせずに工事を進めると、完成後に基準を満たしていないことが発覚することがあります。内装制限を正しく満たしているかを、専門家に確認せずに工事を進めることは、避けるべきです。後から作り直しとなれば、大きな費用と時間の損失になります。

病院の内装制限は、建物の条件によって細かく変わるため、専門的な判断が欠かせません。医療施設の設計に詳しい専門家に確認しながら、確実に基準を満たして進めることが大切です。確認を怠ったまま工事を進めることはできないことを理解し、専門家と連携して進めることが、安全で問題のない病院の内装を実現する鍵になります。確実な確認が、安心を支えます。

まとめ

病院の内装制限とは、火災の燃え広がりを抑え、安全な避難を守るために、建築基準法に基づいて内装の素材を制限する決まりです。多くの人が利用し、自力での避難が難しい患者さんもいる病院は、この制限の対象となり、主に壁と天井の素材に、燃えにくさに応じた基準が求められます。

具体的には、壁と天井への制限、燃えにくさによる材料の分類、避難経路や火を使う部屋への厳しい基準、床などの対象外という点があります。制限の範囲内でも、燃えにくい素材での意匠の工夫や、床材の自由な選択、条件による緩和の活用など、できることは数多くあります。一方で、燃えやすい素材の使用や、制限を無視した素材選び、確認を怠った工事はできません。

病院の内装制限を正しく理解することが、安全で、なおかつ魅力的な病院の内装を実現する第一歩です。専門家と連携しながら、制限を踏まえた計画を丁寧に進めていきましょう。

監修
株式会社Paletta 営業部

株式会社Paletta 営業部は、医療・オフィス・福祉施設などの内装設計・施工を手がける専門チームです。「パレット+α」の理念のもと、多様な想いを調和させた空間づくりを推進。一級建築士や一級建築施工管理技士などの有資格者と連携し、企画から施工までワンストップで支援しています。

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